スポンジケーキの基本 溶かしバターの温度と混ぜ合わせるコツ

スポンジケーキの出来栄えを左右するポイントになります。

ここでミスをしてしまうとせっかく泡立てた気泡が壊れていってしまい、今までの苦労が水の泡になってしまいます。

また生地に溶かしバターがなじまずに残ってしまうと焼きあがった生地に黄色い生地のかたまりができてしまう原因になります。

とくにはじめての方やあまり慣れていない方は混ぜすぎを怖がってしまい、逆に混ぜ合わせが足りないこともよくあるため注意が必要です。

バターを入れる時に注意しなければいけない理由

まず最初にバターは空気の泡を壊してしまう性質を持っています。

つまりバターを加えてから時間が経つにつれて生地の中にある気泡がどんどん壊れていってしまいます。

さらにゴムベラなどで混ぜ合わせる際に、力が加わって気泡が失われるため、生地がゆるくなってしまいます

スポンジケーキなどの気泡を利用したお菓子を作る際にバターなどの油脂を加える場合は、生地のなかの気泡を壊してしまいまうため、バターは一番最後に加えることになっています。

バターなどの油脂を加えて混ぜ合わせる際は注意が必要になります。

バターのほかにココアやアーモンドプードルなどにも油脂が含まれているため、同じことがいえます。

バターを入れるメリット

バターを加える目的として生地に風味をつけるためしっとりしやすくすることにあります。

一部のスポンジケーキではバターを加えない場合もありますが、基本的には味にコクや風味が出るためスポンジケーキにはバターを入れたほうが美味しくなるといえます

一般的に丸型で深さのある型で焼き上げる場合は、バターなどの油脂を入れない場合は生地が膨らみすぎて表面が割れて焼きあがる可能性があるため、高さのあるスポンジケーキをつくる際はバターなどを加えるようにしましょう。

バターを溶かしバターにする理由

バターを溶かしバターにするのは、温度を上げて液状にすることで生地となじみやすくするためです。

液状のほうが分散しやすく生地になじみやすくなります。

溶かしバターの温度

生地になじみやすくするためにはさらさらとした状態が好ましいです。

そのため溶かしバターの温度は60度前後を目安にします。

100℃に近い高温だと・・・

溶かしバターの温度が高ければ液状の状態のため、生地になじみやすく混ぜ合わせるのに問題ないようにみえるのですが、

あまりに温度が高い溶かしバターを加えると混ぜ終えても、生地自体が温度が高いままの状態となってしまいます。

気泡は温度が高いほど壊れやすく、温度が低い状態ほど壊れにくい性質を持っているため、結果として気泡が安定せず時間が経つにつれて多くの気泡がつぶれてしまうため好ましくありません。

スポンジケーキを作る際には溶かしバターを加えた時に、一時的に生地全体の温度が上がっても混ぜ終わる頃に温度が下がっている状態に戻るような温度が求められ、そのため60℃前後の溶かしバターを加えることが良いとされています。

温度を上げすぎてしまった場合は湯せんのようにカップの底を水につけてたりして60度前後に冷まして使うことが望ましいです。

低い温度だと・・・

温度が低いとバターはドロドロとした状態のため生地などとなじみくくなります。

結果的に混ぜる回数が多くなってしまったり、混ぜてもぜんぜんなじまなかったりしてしまうので再度温めるようにしましょう。

バターの温度設定

慣れないうちは生地を混ぜ合わせることに目がいってしまい、

溶かしバターの温度管理まで目がいかないことがあるため、卵を混ぜ終わるタイミングで溶かしバターの温度を確認するように決めておくと、焦らず良い状態で加えることができてミスを少なくできます。

バターを加える上手な方法

はやく生地に混ぜ合わせるためには、加え方と混ぜ方が大切です。

とくに溶かしバターは加え方に気を付けなければいけません。

溶かしバターを加え方には主に2種類の方法があります。

溶かしバターをヘラにあてながら入れる方法

溶かしバターは底に沈みやすく生地になじみにくいため、

泡立てた生地に溶かしバターを1か所にだけ入れてしまうと、ボウルの底に沈んでしまい、そのあと生地となじみにくくなってしまいます。

溶かしバターを加える際はゴムベラにあてながら生地の表面全体にかかるように回し入れます。

一部の生地を犠牲にしてなじみやすくする方法

もう一つの方法として生地の一部を犠牲にすることで、もとの泡立てた生地となじみやすくする方法があります。

まず溶かしバターの入ったボウルのほうに溶かしバターと同量程度の泡立てた生地の一部をとって入れ混ぜ合わせます。

そして十分に混ぜ合わせることができたら、もとの泡立てた生地に戻し混ぜ合わせます。

この方法では、溶かしバターが生地に混ざりきらずに生地に黄色いかたまりができてしまうことを避けるためにとても有効的な方法です。

洋菓子店でも1度に大量に作る場合などで使われます。

初心者の方や絶対に失敗したくない場合などでもおすすめの方法です。

牛乳などを入れる場合

牛乳も少ないですがバターと同じような働きをします。

牛乳には水分量が多くふくまれているためよりしっとりとしたスポンジケーキに焼き上がります。

加えるタイミングは溶かしバターと一緒に合わせて温めて加えてください。

生地にバターを加えたあとの混ぜ方

混ぜる回数が多かったり、時間がかかってしまうと泡立てた気泡がつぶれてしまうため、混ぜる回数は最小限に、はやく溶かしバターをなじませる必要があります。

気泡の量が多いほど生地はよく膨らんでボリュームのある生地になるため、せっかく苦労して泡立てた気泡を壊さないように注意しながら、優しく混ぜることを心掛けてください。

ゴムベラの使い方

薄力粉を加え混ぜ合わせた際と同じく、切り混ぜるようにして気泡をつぶさないよう混ぜ合わせます。

バターは重く下にたまりやすいので、切るようにゴムベラを生地に入れて生地の底からすくいあげるような感じで混ぜるとなじみやすいです。

混ぜ方も重要ですが、バターには気泡を壊していく性質があるため、より早く混ぜられることが求められます。

どれくらい混ぜるの?

まずは溶かしバターが見えなくなるまで切り混ぜるようにして生地と合わせます。

バターが見えなくなるまで混ぜたら、さらに生地にバターが均一に分散させるために数回ほど切り混ぜましょう。

ここまで混ぜ終えたときにボリュームがあり、白っぽい色の状態であれば膨らみの良い生地に焼きあがる可能性が高いです。

かさが減ってボリュームがなく、黄色っぽい色をなってしまうと重めの生地となり、膨らみは悪くなります。

この時の混ぜ具合が出来上がりの生地を決める

バターの気泡を壊していく性質は混ぜ合わせた後も続くため、バターが生地になじんで混ぜ合わさったら、その後すぐに型に流し入れてオーブンで加熱します。

せっかく混ぜ終わりの良い状態の生地に作れても、ここで時間がかかってしまうと台無しになってしまいます。

はじめてつくる際は戸惑ってしまうかもしれませんが、ここは時間をかけないように準備を忘れないようにして心がけましょう。

また膨らみは少さくなりますが弾力の強めの生地にさせたい場合などには、バターが生地になじんで混ざった後に混ぜる回数を数回ほど増やすなど、好みに応じて混ぜる量を調整します。

なじませる注意点

ボウルの底に溶かしバターがのこっていないか確認しましょう。

溶かしバターはボウルの底に沈みやすいので混ぜ終わりだけでなく、混ぜている途中も底に沈んでいないか意識しながら混ぜましょう。

溶かしバターがなじまずに残ったままの状態だと焼きあがった生地に黄色い生地のかたまりができてしまう原因になりますので、混ぜ終わった後にもよく確認して下さい。

時間をかけない

バターなどの油脂を加えてからはスピード勝負です。

溶かしバターを加えてからは混ぜていなくても時間が経つにつれて生地の中の気泡はどんどん壊れていきます。

バターを加えたら素早くなじませて型に入れて焼き上げることが重要です。

焦らないように

バターを加えたら急いで混ぜ合わせることが求めれます。

しかし焦ってしまうと混ぜ方が雑になってしまったり、混ぜ合わせが足らない。なんてことになりやすいので十分に注意してください。

時間も大切ですが落ち着いて混ぜることに集中したほうが、よく膨らんだスポンジケーキに焼き上がりますよ。

型の準備などは事前にしておいて、すぐにオーブンに入れて焼き上げることができるようにすることで焦らずスムーズに作業しやすくなります。

型の準備だけでなく、前もってオーブンの温度設定をして温めておくことをわすれないでくださいね。

まとめ

いかに溶かしバターをうまく分散させることが生地に素早くバターをなじませることにつながります。

そのためには溶かしバターの温度と溶かしバターの加え方はとくに気を付けることが肝心です。

はやく混ぜ合わせることを心掛けながら、混ぜのこしがないように混ぜ加減をしっかりと見極めてから素早く型に入れて焼き上げるようにしましょう。

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