チョコレートを保存する温度とは?実は冷蔵庫が劣化する原因だった?

冷蔵庫でのチョコレートの保存が向いていない理由

基本的にチョコレートの保存する場合、保存場所に冷蔵庫は向いていません。

その理由は、温度変化、温度差の大きさにあります。

冷蔵庫に保存することは、チョコレートもほかの食品同様にダメなわけではないのですが、チョコレートの場合、ただ冷蔵庫で保存しているだけだと、本来の美味しさをわざわざ半減させている可能性があるのです。

チョコレートは食品の中でも、より温度管理が必要なのです。

結露が発生

冷蔵庫にチョコレートを保存するべきでない理由に、結露があります。

結露とは、冷たい氷水の入ったコップのまわりに水滴が発生したり、室内外の温度差が激しい際に窓などの表面に水滴がつくことを言います。

これは冷蔵庫や冷凍庫も同様で、庫内に保存していた食品などの表面に水滴がついてしまう理由も、この結露が原因となります。

結露とは

そもそも空気には水蒸気が含まれており、空気中に水蒸気を含むことができる量が限られています。

この量を飽和水蒸気量と呼びます。

飽和水蒸気量は、空気の温度の違いによって異なり、温かい空気は冷たい空気よりも、空気中に多くの水蒸気を含むことが可能となります。

温かい空気が冷やされて、空気の温度が低くなると飽和水蒸気量が低くなり、空気中に含むことのできる水蒸気の量が減少し、余分な水蒸気を空気中に保てなくなります。

その際に余った水蒸気が水へと変化し、その水が水滴となって表面に付着するのです。

開閉するほど結露が起こりやすい

室内と冷蔵庫の温度差が大きい場合、冷蔵庫を開閉する際に、室内の温かい空気が冷蔵庫の中に入り込み、その温かい空気が冷蔵庫内で冷やされます。

庫内に入り込んだ空気が冷やされることで、空気中に含むことのできない余った水蒸気が水分へと変化し、冷蔵庫内の壁面や棚、食品の表面などに水滴となって付着するのです。

温度差が大きい場合には注意が必要で、冷蔵庫だけでなく夏場や冬場など、室温と外気温の差が大きい場合でも起こります。

冷蔵庫は普段使用する際に、何度も扉を開閉するため、開閉するたびに温かい空気が庫内へと侵入するため、結露が起きやすい環境ともいえるのです。

チョコレートの結露はなぜ問題

チョコレートの表面に水滴がついてしまっても、拭けば大丈夫だろうと思う人もいらっしゃるかもしれません。

しかし、チョコレートに水滴がつくことは、絶対に避けなければいけないのです。

チョコレートに水分が付着することで、シュガーブルームという劣化現象が起こります。

チョコレートの原材料に含まれている砂糖が、表面に付着した水分に誘引されることで、チョコレートの表面に、白い模様となって浮かび上がってきます。

チョコレートの見た目がカビが生えたように悪くなるだけでなく、舌触りが悪く、くちどけ感や風味が失われるなどチョコレートの品質悪化を起こし、美味しさの面でもデメリットとなります。

チョコレートの保存に適切な温度とは

原材料によって差はありますが、チョコレートに適した温度は15℃~17℃前後、少なくとも20℃以下を目安に、保存できることが理想的です。

また温度差があまりなく、日光の当たらない、暗く涼しい場所に保存することが求められます。

室内の温度が20℃前後で、温度差が少ない状態が保たれているのであれば、チョコレートは冷蔵庫に入れて保存するよりも、常温で保存する方が好ましいといえます。

水分を含んでいるものは冷蔵庫へ

チョコレート製品として加工されているものには、ボンボンショコラや生チョコレートなどがあります。

チョコレートのみではなく、生クリームが加えられたチョコレート製品などは水分が含まれているため、冷蔵庫での保存が必要となります。

生クリームを使ったケーキなどの生菓子同様に、要冷蔵での保存となります。

ボンボンショコラも中心部に使われているガナッシュクリームに、生クリームが含まれているため、冷蔵保存が求められるのです。

ご家庭で手作りされたチョコレートなどは、生クリームなどを使用せずにチョコレートのみを加工した場合でも、衛生上などの問題点から、常温ではなく冷蔵庫で保存し、できるだけ早く消費するようにしましょう。

チョコレートの温度管理には注意が必要

チョコレートは一度溶けてしまうと、チョコレートの結晶構造が不安定な形に変化してしまい、そのまま再度冷やし固めても、元の状態には戻りません。

先ほどのブルームが起こる要因となりますし、食感やくちどけ、風味は失われ、チョコレートの美味しさは大きく低下します。

チョコレートの品質を保つためには、温度管理が必要であり、とくに保存温度は注意するべきなのです。

適したチョコレートの保存場所は?

夏や冬場は室内外の温度差が激しい

夏場にチョコレートを20℃以下で常温で保存するのは、日本の気候条件では難しい場合が多いでしょう。

冬場でも暖房などの使用で、室内外の温度差の変化が大きい場合は、保存場所には気を付ける必要性があります。

温度差が少ないことも大切ですが、温度が20℃以上である場合や温度変化に少しでも懸念がある場合には、冷蔵庫で保存することを推奨します。

野菜室が良いとされているが…

チョコレートの保存場所では、冷蔵庫の野菜室に保存することが良いとされています。

多くの野菜室の温度は約7℃前後に設定されており、冷蔵庫よりも少し温度が高いことから、チョコレートの保存には野菜室が向いているとされています。

また冷蔵庫と比べても、野菜室の方が扉の開閉回数も少なく済むでしょう。

冷蔵庫よりも湿度が高い?

しかし、野菜室にチョコレートを保存する際には注意する点があり、それは湿度です。

野菜室はもともと野菜を保存するのに適した環境に近づけているため、冷蔵庫よりも野菜室は温度が高いだけでなく、湿度も高く設定されていることが多いのです。

温度だけでなく、湿度にも弱いのがチョコレートです。

湿度が高い場所にチョコレートを置いておくと、空気中に含まれている水分をチョコレートが吸湿してしまいます。

これによって品質劣化が早まってしまい、チョコレートの鮮度を落とすことに繋がってしまうため、湿度はチョコレートにとって大敵なのです。

冷蔵庫内は臭いが移る

またチョコレートは臭いが移りやすい食品でもあります。

とくに冷蔵庫は、さまざまな食品が庫内に詰めらている場所のため、臭いがチョコレートに移りやすい環境とも言えます。

開封されているチョコレートはなおさらです。

チョコレートにとって、カカオ特有の香りと風味はなくてはならないものです。

そんなチョコレート独特の芳香が失われないためには、しっかりと空気に触れないような環境下での保存が欠かせないのです。

保存方法

チョコレートを保存する際は、密封できる保存容器や袋などに入れて、しっかりと空気を抜いてから密封を行い、保存することが求められます。

湿度や臭いが移ることを防ぐために、チョコレートに空気に触れないようにすることを心掛けましょう。

またチョコレートは光にも弱いため、密封する前にチョコレートをアルミホイルで包んでおく、量が多い場合は小分けしておくと、なお良いでしょう。

すこしめんどくさいかもしれませんが。

まとめ

チョコレートは想像以上にデリケートな食品です。

温度差が少なく、20℃以下で保存する場所がある場合では常温で、20℃以下で保存できない場合や、夏場や冬場などで温度差が不安な場合は冷蔵庫で保存しましょう。

その際は空気と触れないように、密封して保存することを欠かさないように。

食べる際は、10分~15分ほど食べる前に冷蔵庫から出して、チョコレートを室温に戻してから。

せっかくの美味しいチョコレートを味わうためにも、鮮度を落とさずに風味や香り、くちどけ感の逃さないようにしましょう。

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