製菓用チョコレートをそのまま食べることは可能?クーベルチュールの注意点とは?

名前のとおり、製菓用で使われるクーベルチュールチョコレートは、主に洋菓子店やチョコレート専門店などで好んで使用されるチョコレートです。

主に業務用のため、一般の人には見慣れていないことや、なじみがない人にとっては、このチョコレートの何が製菓用なのか?よく分からない人も多いかと思います。

また手作りチョコレートを作りたい人のなかにも、クーベルチュールチョコレートに興味を持っている人は、多いのではないでしょうか?

そんな気になる製菓用チョコレートについて書いていきます。

そのまま食べることは?

製菓用チョコレートは、一般に量販店などで売られている普通のチョコレート同様に、そのままの状態で食べることが可能です。

製菓用チョコレートとして扱われているチョコレートは主に、クーベルチュールチョコレートと呼ばれているものを指します。

日本のチョコレートとは異なり、チョコレートの原材料に使用するカカオ分やココアバターの含有量、代用油脂を含まないことなど国際規格によって厳しく定められており、この規格を満たしているチョコレートのみ、クーベルチュールチョコレートと呼ぶことができます。

そのため製菓用チョコレートは原材料や製造方法など異なる点はありますが、チョコレートの基本的な製造工程は普通のチョコレートと変わらないため、製菓用チョコレートが普通のチョコレートと違って、そのままの状態で食べることができなくなるわけではありません。

洋菓子店やチョコレート専門店では、そのまま食べることが可能である製菓用のクーベルチュールチョコレートを再度溶かして、他の材料などと組み合わせて加工することで、チョコレート製品を作り上げているのです。

美味しい製菓用チョコレートはおすすめ

洋菓子店やチョコレート専門店で加工される高級なチョコレートの多くは、品質の高いクーベルチュールチョコレートを加工して作られています。

高級なチョコレートを製造する際にも使用されることからも、クーベルチュールチョコレートの味が美味しいことは、想像していただけると思います。

手作りチョコレートを作る人だけでなく、チョコレートが好きで普段よく食べる方にも、製菓用チョコレートは十分おすすめなのです。

ただし良い点が多いのですが、あくまでも業務用のチョコレートであり、知っておくべき注意点もいくつかあります。

製菓用クーベルチュールチョコレートの特徴

風味とくちどけの良さ

そもそもクーベルチュールチョコレートが、洋菓子店やチョコレート専門店などで用いられるのは、原材料にカカオ分であるココアバターを多く使用するチョコレートであるからです。

ココアバターを多く含み、代用油脂を使用しないため、より滑らかな状態のチョコレートとなり、カカオの風味を感じながらも食べた際に素早く口の中で溶ける、くちどけ感を十分に味わうことができるのです。

さらにクーベルチュールチョコレートの良い点は、そのなめらかさにあります。

原材料にココアバターが多く使用されることで、チョコレートを溶かした際にサラサラとした流動性の良いチョコレートとなります。

このため、洋菓子店やチョコレート専門店では美味しさだけではなく、加工のしやすさや扱いやすさの面からも、クーベルチュールチョコレートが好まれて使用されるのです。

好みに合わせてカカオ分や種類を選べる

やはりカカオ分や産地など、多くの種類に違いがあることが、製菓用チョコレートをおすすめしたい理由になります。

好みのカカオ分を多くの種類から選択できるのは、製菓用チョコレートならではです。

含まれるカカオ分や原材料の違いによって、チョコレートは大きく異なります。

またチョコレートを製造する際にも、原料となるカカオ豆に合わせながら、焙煎や精錬などの時間や温度を調節することで、カカオの風味や香り、苦みや酸味などを調整しています。

使用するカカオ豆の品種や産地、製造を行うチョコレート原料メーカー独自の製造方法の組み合わせによって、チョコレートの味わいは様々に変化しているのです。

さらにクーベルチュールチョコレートは、カカオ分を多く含んでいるため、風味や香りを強く感じることができます。

メーカーによって、カカオ特有の芳香や味の苦みやコクなどは様々であり、ぜひ自分に合ったチョコレートを見つけるのも面白いと思います。

食べやすいチョコレート?

多くのクーベルチュールチョコレートは、小さく薄いコイン状の形をしています。

製菓用チョコレートは、製品に加工するためのチョコレート原料として使用することを想定しています。

そのため、多くの種類の製菓用チョコレートは、チョコレート製品に加工する際に溶かしやすく、計量が行いやすいように、薄く小さな形状のチョコレートが袋に詰められた状態で売られています。

その形や大きさ、種類などは様々で、コインやフェーブ、タブレットなどと呼ばれています。

そのまま食べる場合では、一口サイズで非常に食べやすい形状であり、口の中でも溶けやすいため、結果的にクーベルチュールチョコレートの美味しさを感じることができるサイズや形状といえるでしょう。

製菓用チョコレートの値段

やはり高級なチョコレートなどを製造する際に使用されるチョコレートのため、普通のチョコレートと比較すると価格は安くはないです。

ですが製菓用チョコレートは、主に業務用サイズで売られています。

グラム単位で比較すると、安価な製菓用チョコレートも多くあり、種類によっては価格が普通のチョコレートとあまり差がない場合も多いのです。

こだわりの原材料を使用していることや品質の高さ、製菓用チョコレートならではの美味しさの面を考慮すると、比較的安価だと感じる人も少なくないと思います。

一粒だけで価格が数百円するような高級チョコレートのように、クーベルチュールチョコレートは決して高くはないのです。

ちなみにカカオポリフェノールなどの成分は、原材料のカカオマスに含まれています。

健康志向でチョコレートを愛用したい方は、カカオマスの含有量が少ないミルクチョコレートやホワイトチョコレートではなく、カカオ分の高いビターなスイートチョコレートを選択すると良いでしょう。

製菓用チョコレートを買う際の注意点

温度管理は必要

クーベルチュールチョコレートは、原材料に多くのカカオ分やココアバターを含むため、品質を安定した状態で保つには、温度管理が欠かせません。

夏場や冬場など、室内と外との温度差が大きく生じる場合、輸送時や保管状況などによって、ブルームというチョコレートの劣化現象が起こる場合があります。

ブルームが起こるとチョコレートの味や見た目に影響しますが、食べられなくなるわけではありません。

開封後だけでなく開封前のクーベルチュールチョコレートも同様のため、買う際にもすこし注意が必要です。

テンパリングは美味しさに影響

基本的にチョコレートを溶かして、再度固める際にはテンパリングという作業が必要です。

これは製菓用チョコレートであるクーベルチュールチョコレートも同様で、見た目や味に直結する作業となります。

製菓用チョコレートは扱いにくいのでは?というイメージを持つ人も少なくないのは、このテンパリングや温度管理などの技術が必要となることが大きいでしょう。

ただしチョコレートを溶かしたりせず、開封後そのままの固まっている状態で食べる場合では、基本的に必要ありません。

ただテンパリングは美味しさの面で影響しますし、時間の経過によるチョコレートの品質状態の劣化や、種類によってはテンパリングを行っていない場合もあるため、出来れば行ってほしい作業となります。

またテンパリングを行うことで、ブルームを治すことは可能です。

業務用サイズ

やはり製菓用チョコレートで懸念される点としては、量が多くて食べきれるか心配な点ではないでしょうか。

業務用サイズのため、多くは1㎏前後のものが多く、テンパリングなどチョコレートを加工する際には、ある程度の量が必要となります。

チョコレートは水を含まないため、チョコレート原料のみである製菓用チョコレートの場合、適切な温度管理での保存方法を守ることで、比較的長く保存することが可能とされています。

使いきりではなく複数回開封することを想定して、多くの製菓用チョコレートの袋はジッパーで密封できるようになっており、少しづつ食べることも可能です。

ですが、どうしても品質劣化の面では開封後は、できるだけ早く消費することが求められます。

出来れば手作りチョコレートを作ってみてはいかがでしょうか?

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