ザッハトルテとはチョコレートケーキの王様?別格の違いは特徴にある

ザッハトルテとはただのチョコレートケーキではないことをあなたは知っていますか?

名前は聞いたことがある人は多いのでは?

名前は知っているけど、詳しくザッハトルテのことをあまり知らないという人にぜひ知ってほしい。

食べたことのある人もそのザッハトルテは、本当にザッハトルテだったのかを思い返してみませんか?

ザッハトルテとは有名なチョコレートケーキの一種

もともと政治家に仕えていた料理人の方が考案したお菓子で、のちにウィーンにあるホテルザッハーの名物菓子となる有名なチョコレートケーキの一種です。

長い歴史ある古典的なチョコレートケーキの代表格でもあることから、チョコレートケーキの王様とも評される有名なケーキ。

世界中にファンが多いことからも、よく認知されているお菓子でもあります。

ザッハトルテの意味

オーストリア帝国の政治家に仕えていた料理人見習いだったフランツ・ザッハーの手によって、考案され作りだされたケーキがザッハトルテであるとされています。

新しいお菓子を作ってほしいと要望された際、たまたま料理長が病気で体調を崩しており、この難題にザッハーが任され、作り上げたものがザッハトルテになります。

料理人見習いであったザッハーはまだ若干16歳でした。

このザッハトルテはとても好評で、考案したザッハーはその腕を認められていくこととなります。

その後、ザッハトルテはザッハーのスペシャリテとして広く知られるようになり、のちにフランツ・ザッハーの息子によってホテルザッハーが開業された際、ザッハトルテをレストランやカフェで提供し始めたことで名物となりました。

トルテの意味

トルテとは、ドイツ語で丸い円形のお菓子全般を指す意味。

ウィーンのあるオーストリアでは、オーストリアドイツ語というドイツ語の方言のような言語で話されているため、トルテがお菓子の名前に使われているのです。

日本でいうケーキのような円形のお菓子のことです。

ホテルザッハーとデメルの争い

ザッハトルテといえば、ホテルザッハーのザッハトルテとデメルという洋菓子店のザッハトルテの2つがよく知られています。

もともとザッハトルテのレシピは門外不出だったのですが、いくつか説はありますが、ホテルザッハーが財政難に陥った際、洋菓子店のデメルに資金援助としての代わりにザッハトルテの販売権を譲ったことでレシピが流出したとされています。

今現在でも、ホテルザッハーのザッハトルテ同様にデメルのザッハトルテも有名ですが、このザッハトルテの商標権や販売権利をめぐって後にホテルザッハーとデメルが裁判で争うことになるのです。

結局、どちらにもザッハトルテを販売する権利は与えられ、ホテルザッハー側をオリジナルのザッハトルテとし、もう一方の洋菓子店デメルではデメルのザッハトルテと呼ぶことで落ち着きました。

本物と普通のチョコレートケーキとの違いは明確

正直、ザッハトルテとは言えないものが混在していることもあります。

日本ではザッハトルテがチョコレートケーキの代表格でもあったことからか、よく分からずにチョコレートケーキ全般のことを、ザッハトルテと指している場合もあったようです。

なのでザッハトルテを正しく分かっていない人は、普通のチョコレートケーキと勘違いしている方もいるかもしれません。

ザッハトルテの特徴

さてザッハトルテとはどんなケーキなのか?

特徴を見ていきましょう。

まず生地は、スポンジ生地というよりもバターやチョコレートを多く含んだ配合と製法から、円柱状に焼き上げたチョコレート風味のバター生地になります。

そして、ザッハトルテの特徴としてアプリコットジャムが使われていることが大きな点になります。

主に生地の表面やスライスした面に塗られており、アプリコットジャムを塗る場所や量は作り方によって異なります。

もう一つのザッハトルテとして特徴として挙げられるのが、生地の表面に上掛けされたチョコレートの糖衣になります。

フォンダンやシロップをチョコレートと合わせることで、生地の表面に濃厚で厚さのあるチョコレートを生地全体にまとわせています。

そして好みですが、無糖のホイップクリームをつけて食べるのがザッハトルテです。

味はビターではなく甘め

ザッハトルテの味は一言でいうと甘めです。

ザッハトルテの上掛けされたチョコレートには、砂糖を多く使用したシロップやフォンダンが多く含まれています。

そのため、生地やコーティング用などにスイートチョコレートが多く使用されていますが、チョコレートのほろ苦さよりも断然、甘味が強い印象になると思います。

チョコレートなどを上掛けしてつやを出したりすることを、それぞれの国の言葉でグラサージュやグラズールと呼ぶのですが、ザッハトルテに上掛けされたグラズールは少し変わっています。

溶かしたチョコレートにシロップやフォンダンを加えることで、砂糖の再結晶化を利用して作られるチョコレートを、仕上げに組み上げた生地を覆うようにコーティングします。

チョコレートの糖衣とも呼ばれ、食べるとシャリシャリとした食感が加わった甘くて濃厚なチョコレートが、口の中にいっぱいに広がるのがザッハトルテの特徴になります。

ザッハトルテが好きな人は、この少し変わった食感の加わったチョコレートの味が好きな人も多いようです。

まとめ

ザッハトルテをカットする際は、このチョコレートの糖衣が綺麗に切りにくく難しくなります。

また生地の配合や製法から日本人にとっては、どちらかというと少しパサついた生地に感じるかもしれません。

甘さも強めのため、好みは分かれるかも。

ですが、生地にはチョコレートを配合したバター生地を使用し、チョコレートの糖衣掛けをしていることからも分かるように、すごく濃厚な味わいでチョコレートの味を存分に楽しめるケーキです。

チョコレートケーキのなかでも別格といわれるザッハトルテの味。

とくにチョコレートの糖衣掛けなどは個性的で、ザッハトルテはどんなケーキなのか知ってから食べたほうが、より美味しく味わえると思います。

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