スポンジケーキを初めて作る方などは、スポンジケーキにシロップがいるのと思うかもしれません
知らないひとも多くいると思いますが、スポンジケーキにただ甘味を足す意味だけではありません。
スポンジケーキにシロップは必要?
一般的にショートケーキなどスポンジケーキを加工する場合は、シロップを生地に塗ることが多いのです
日本の洋菓子の多くはフランス菓子に影響を大きく受けていて、フランス菓子ではスポンジ生地にシロップを使うことが主流だったため、多くのレシピや洋菓子店などでもシロップが使われています。
フランス菓子に忠実な洋菓子店ほどシロップを打ってあることが多いです。
ショートケーキなどに加工する際、クリームを挟んだり塗っていくのですが、スライスされたスポンジ生地の段面にクリームを塗る前にシロップを生地に塗るタイミングになります。
シロップを打つ
断面にはけを使って塗ることをうつという
シロップの基本配合としては砂糖と水の合わせたものであり、洋酒や香料など足したり、色付けすることもあり、洋菓子店などでは独自にアレンジしています。
シロップを使う場合、スポンジケーキにシロップを塗るというのではなく、シロップを打つという言い方をします。
シロップといっても、配合は様々ですが多くは水のように粘度が弱く水っぽいため、はけで生地に塗るというよりも、はけにしみこませたシロップを生地にはけから移すイメージになります。
そのためシロップを広げるように塗るのではなく、軽くたたくような感じでしみこませるため打つという表現がされているのだと思います。
次はシロップを加えることで与えられる効果を説明していきます
シロップの効果
シロップを打つことで得られる効果は主に次の3点です。
- 乾燥を防ぐ
- 甘味と水分量を増やす
- 作業性の向上
乾燥を防ぐため
シロップに含まれる砂糖は水分を保持する働きがあるため、スポンジ生地のしっとり感を長時間キープする働きにつながります。
またシロップを打つことで、生地の断面から水分が蒸発を防ぎ、よりパサパサとした生地になりにくくなります。
甘味や水分量を増やす
甘味と水分が生地にプラスされます。
水分を与える目的の意味は大きく、スポンジ生地に水分が足されることで、よりしっとりとした食感にすることができます。
シロップの甘味ももちろん加わりますが、水分量を多く得られることでスポンジ生地の甘味が引き立てられることでより美味しく感じることができます。
作業性
シロップを生地に打つことで、シロップを打たない場合よりもクリームなどを塗る際に塗りやすくなります。
ショートケーキなど組み立てて加工していく場合、ケーキの表面をきれいに仕上げるため、焦げ目のない綺麗なスライスの断面を表面につかうことが多くなります。
デコレーションなどで表面にクリームを塗る場合に、生地の断面をクリームを塗っても生地のくずで汚れず、個人差はありますが塗りやすくなります。
ただし塗りやすくなっても、シロップを塗る工程が増えるため、その分素早くシロップを打つことも必要になります。
シロップの必要論と不必要論
基本的には、塗らないといけないわけではありません。
フランス菓子では生地をしっかりと焼くが多いため、後でシロップでしっとり感を補うことになりました。
ジェノワーズ(共立て法)で作ったスポンジではしっとり感を残せるように作るため、上手く作ることで十分シロップを使わなくても美味しく作ることは可能かもしれません。
ただ水分量をキープしながらスポンジ生地を焼き上げるのは難しいため、シロップで補う方が良いといえます。
洋菓子店などでは、シロップを使わないでショートケーキを作らないところなどもあり、とくに自信があるお店かもしれません。
生地の焼き方によって使わないでもしっとりと弾力のある生地に焼き上げることも 生地にシロップの甘さを足したくないため使わない人もいます。
シロップを加えることで得られるメリットとデメリット
クリームとスポンジ生地を一緒に食べる場合、水分量がある程度ないと味がぼやけやすくなります。
シロップの程よい水分によってなじみやすくなり、甘さも加わることでクリームと生地を引き立てることにつながります。
味に深みがでるといってもいいかもしれません。
デメリットしては、やはり甘さがどうしても強くなるため、少し甘すぎると感じる人がいるかもしれません。
またシロップの水分によって、ベトつきが気になることもあります。
スポンジ生地の表面に直接シロップを打つため、量が多いと集中して染みてしまうことも。
霧吹きなどを使うことで対処もできますが、十分な水分量が得られないことがあるため、べとつきが気になる方は、調整が少し必要です。
またシロップの配合に洋酒などを加えるなどアレンジも可能で色付けされて使われることも。
ただし洋酒を使う場合は子供や苦手な方には注意が必要です。
まとめ
ショートケーキのようにスポンジ生地に生クリームのシンプルさや苺の酸味がアクセントが特徴の場合、シロップのしっとり感と甘味が加わることでより美味しく感じることが多いと思います。
無理に用意する必要はありませんが、基本的にはシロップはおすすめします。
手作りの際は生地のしっとり感だけでは足りないことが多いため、今まで手作りが美味しくないと感じていた方はシロップを使うことで、しっとり感がプラスされて美味しく感じるかもしれません。