スポンジケーキの混ぜ方とコツ・薄力粉の混ぜ方 

生地を膨らませてボリュームを出すスポンジケーキは薄力粉の働きをうまく利用して作られています。

しかし薄力粉は単純に混ぜればいいというわけではありません。

薄力粉をきちんと混ぜ合わせられるかどうかによって、スポンジケーキの出来上がりの状態や膨らみ方に深く影響し、うまく混ぜ合わせた場合と混ぜられなかった場合では焼き上げた際に大きな差が出ます。

そのため薄力粉を加えて混ぜ合わせる際には注意しなければいけないことがいくつかあり、そこを間違えてしまうとスポンジケーキ作りにとってデメリットに働いてしまいます。

そんなスポンジケーキにはかかせない薄力粉を上手に混ぜ合わせる方法を詳しく紹介します。

まず薄力粉を混ぜ合わせると

簡単に説明すると薄力粉を加えて混ぜあわせることで薄力粉が混ぜ合わさった生地からグルテンという生地の骨組みになるものがたくさん作られます。

このグルテンが生地の膨らみを維持するために深く関係するため、

生地を加熱した際の気泡の膨らみを利用して作る、ボリュームのあるふっくらとした生地が特徴のスポンジケーキにとって、とても重要なのです。

よく膨らんだスポンジケーキにするにはグルテンが重要

スポンジケーキは手で軽く押さえても、元の状態に戻るように程よい弾力や反発があります。

これはグルテンの働きによるもので、生地の中の気泡が過熱されて膨らむ際に、グルテンが伸ばされて網目状に広がっていき、生地の骨組みのような形に固まります。

このおかげでスポンジのような程よい弾力を持ちつつ、しっかりと形を保つことができる生地にすることができます。

そのため、高さのあるふっくらとしたスポンジケーキをつくるためにはグルテンが欠かせません。

しっかりとした骨組みがないと、せっかく膨らんでいてもオーブンから出して冷ましている間に、生地の重みに耐えられなくなり、沈んだりしぼんでしまうからです。

しかしスポンジケーキをつくる場合には、このグルテンがデメリットに働いてしまうこともあります。

スポンジケーキはとくに薄力粉を混ぜすぎてはいけない

薄力粉から作りだされるグルテンは、薄力粉に水と物理的な力が加わることで作られ増えていきます。

全卵には水分が含まれており、物理的な力には混ぜることが力として伝わります。

つまりスポンジケーキを作る際に、泡立てた全卵に薄力粉を加える時に、混ぜ合わせる回数が多ければ多いほど、薄力粉からグルテンが多く作られ、増えていくことになります。

グルテンはスポンジケーキにとって生地を支えるような働きをする不可欠なものであり、多くてもいいのでは?と思われますが、スポンジケーキを作る際にはグルテンが増えすぎてはいけない理由があります。

グルテンが多くできてしまうと?

グルテンが増えすぎてしまうと、生地の中にグルテンが詰まった状態となり、生地の伸びが悪くなります。

伸びにくくなった生地は、加熱した際の気泡の膨らもうとする動きを妨げてしまい、気泡を生地に含ませていても、大きく膨らむことができなくなってしまいます。

とくにスポンジケーキのような気泡を利用して、ふっくらとした生地を作りたい場合、膨らみを妨げてしまうことは望ましくありません。

ゴムベラを生地のなかで動かす際に、慎重に混ぜ合わせていても少なからず力が加わってしまいグルテンが形成されてしまうため、混ぜる回数が多くなるほど生地の膨らみがおさえられてしまうのです。

よってグルテンが膨らみを抑えてしまうのは避けるため、スポンジケーキを作る際には少ない回数で生地と薄力粉を混ぜ合わせることが重要なポイントになります。

混ぜる回数が多いと気泡をつぶしてしまう

さっくり切り混ぜる方法は状態によって混ぜ方を調整する必要があり、粉をなじませるようにして切り混ぜるのに苦戦してしまうことも少なくありません。

慣れていない場合はコツをつかむまでに時間がかかり、混ぜる回数が多くなってしまうことがあります。

卵を泡立てつくった気泡はゴムベラで混ぜれば混ぜるほどつぶれてしまうため、少ない回数で混ぜ合わせることが好ましいです。

グルテンは必要最低限に抑えること

スポンジ生地の重みに耐えられるような骨組みをつくるためにグルテン(薄力粉)は必要不可欠です。

ですが混ぜすぎてしまったり、混ぜるのに手間取ってしまうとグルテンが多くできるだけでなく、卵を泡立てた際の気泡までつぶれていってしまって、さらに膨らみにくい生地になってしまいます。

少ない混ぜる回数で薄力粉を完全に混ぜ合わせることで、グルテンを最低限の量におさえつつボリュームのあるスポンジケーキを作ることにつながります。

混ぜる回数を少なくするためには薄力粉が泡立てた全卵になじみやすくすることが必要です。

そのためには正しい薄力粉の加え方や混ぜ合わせかたを知ることで大切です。

薄力粉を入れる時

薄力粉を加える際は全体に振り入れるようにして分散させます。

できれば生地を混ぜながら薄力粉を振り入れられるとよいですが、振り入れるのに時間がかかってしまうと混ぜる回数も増えてしまうので注意しましょう。

2回に分けて加えるのも大丈夫ですが分けすぎても混ぜる回数がふえてしまうことがあるので同じく注意です。

薄力粉をよく分散させるように心がけることで早く生地となじみやすくなります。

薄力粉の混ぜ方とゴムベラの使い方

ゴムベラまたは木べらを使用します。

お菓子作りでの表現をつかうと生地に薄力粉を加えてから、さっくりと切りように混ぜます。

共立て法でつくる全卵を泡立てた状態と別立て法でつくる卵白を泡立てて卵黄と合わせた状態では生地の型さなどに違いがあるため、それぞれに合わせた混ぜ方をしましょう。

共立て法の場合

  1. ヘラを寝かさないように注意しながら生地を切るようにゴムベラをボウルに入れる。
  2. ボウルの底から生地をゴムベラでボウルの側面に沿うように押し出すようにしてすくいあげます。
  3. 持ち上げた生地をひっくり返すように手首を返します。
  4. ゴムベラを持っていない方の手でボウルを手前にすこし回します。

この動作を繰り返します。

レシピ(ルセット)にはさっくりと切り混ぜると書かれていると思いますが、共立て法ではヘラですくいあげると流れるような重めの泡立ち方になるので、どちらかというと押し出すようにして生地を持ち上げて混ぜます。

切り混ぜるのに押し出してもいいのか?

動きのあるすこしとろっとした生地だとゴムベラで押し出すように混ぜても力が分散しやすく、生地が流れて気泡があまりつぶれずに済みます。

ただし切り混ぜる場合と同じく、気泡をつぶさないために細かく全体的に均一に混ぜる、そして練ったりすり混ぜるようにしてはいけないのは変わりません。

あくまでもゴムベラの入れる角度を変えて混ざりやすくするためです。

別立て法の場合

別立て法では共立て法で作った生地よりも固めの状態の生地のため、薄力粉が生地と混ざり合いにくく、気泡も粗めで壊れやすいので混ぜ方には注意が必要です。

生地をなるべく押し混ぜないように切るようにボウルにゴムベラをいれて、生地をひっくり返すようにしてさっくりと切り混ぜます。

生地と生地の隙間に薄力粉を入れるようにして混ぜることが大切です。

 薄力粉を加えて混ぜ終わる目安

目安としてボウルのなかに薄力粉が完全に見えなくなるまで混ぜ合わせます。

ボウルの底など粉が残ってないかをゴムベラで確認することを忘れないでください。

薄力粉が生地となじんでくると、生地の表面につやが出てくるのでそれも混ぜ終わりの目安になります。

目安と注意

注意しなくてはいけないのが薄力粉が混ざりきっていない場合です。

グルテンが増えすぎることを怖がって混ぜ合わせがおろそかにならないように気を付けてください。

グルテンを抑えて膨らみを良くしても、生地の中に粉が残った状態で焼きあがった生地では白い粉がだまになって残ってしまったり、粉っぽい食感になってしまいます。

まとめ

スポンジケーキをつくるうえで 薄力粉を上手に混ぜるとは薄力粉を残さずに混ぜ合わせたときにグルテンがつくられすぎていないということでしょう。

  1. 薄力粉を加えたら最小限に混ぜる回数をおさえる
  2. 気泡をこわさないように粉が見えなくなるまで十分に混ぜ合わせること

に注意して混ぜてください。

そのためにも薄力粉をよく分散させて混ぜやすく、混ざりやすい混ぜ方をすることが求められます。

とくにスポンジケーキは材料や手順も少ないため混ぜ方や混ぜ加減などが焼き上がりに大きく影響するため、すこしでも混ざりやすくすることが重要になります。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする