せっかく苦労して材料をそろえ計量して作ったのに、焼きあがった生地を見て思っていたものと違う……。
なんてことがお菓子作りをしている人なら一度は経験しているのではないでしょうか?
いざ作り始めてみて材料を混ぜ合わせていく段階で何かおかしい…と思っても、手早くしないと生地の気泡が壊れちゃうと焦ってしまい、なかなか対処できないことが多いですよね。
そんな時、前もってどんな失敗があるのかを知っておくだけでもつまずくことが減りますよ。
スポンジケーキがうまく作れない…
焼きあがった生地をみて全然膨らんでなかったり、食べてみると思っていたよりも美味しくなかったりしてしまうのには理由があります。
それは作る際にに気をつけなければいけない重要なポイントでもあります。
失敗してしまった方もこれから作る方も失敗してしまう原因を確認していきましょう。
スポンジケーキが膨らまない原因
スポンジケーキがぜんぜん膨らまず、心配になりながらオーブンの窓から様子を見ていて、結局オーブンから出した時にかさの低いスポンジケーキが焼きがってしまった経験がある人は少なくないのでは?
なぜスポンジケーキは膨らむの?
簡単に言うと、卵を泡立てて生地内部に含ませた気泡が過熱されることによって体積が大きくなり、生地全体が膨らみながら焼き上がります。
その結果、焼きあがったスポンジケーキに高さやボリュームが出て、生地全体のかさが増えることにつながります。
つまりオーブンに生地を入れる際に、多くの気泡を生地に含ませることがより膨らみやすい生地となります。
泡立てが足りない
卵を泡立てる際に、泡立てが足りなければ結果として、高さの低いボリュームの少ないスポンジケーキに焼きあがってしまいます。
途中で泡立てが足りないことに気付いても、薄力粉やバターを入れたあとではもう気泡を増やすことができないため、卵の泡立てには十分に注意するようにしてください。
泡立てた気泡がつぶれてしまう
卵と砂糖を苦労して泡立てて作った気泡は、その後薄力粉やバターを加え混ぜていく間に気泡に力が加わることで、つぶれて少なくなっていきます。
とくにバターやココアなどの油脂は気泡に触れることで消していまう性質を持つため、素早く混ぜ合わせる必要があり注意しなければなりません。
スポンジケーキの見た目が悪い
スポンジケーキは一応膨らんではいるもの、いびつな形に焼きがってしまうこともスポンジケーキではよくあるのでは?
失敗とは言えないけれども、出来れば綺麗な円形型に焼き上げたい。
とくにスライスする際に、表面がいびつだとうまくスライスできなかったり、小さくなってしまいケーキには使用できない…なんてことにもつながります。
スポンジ生地が焦げてしまった又は焼き色が濃い
焼き色が強い場合は、オーブンの温度設定が高いことが考えられ、この場合10℃ほど上火の温度をさげて試してみるとよいと思います。
使うオーブンによって特徴に違いが出て焼きムラがあったり、上火と下火のつよさにばらつきが出たりする場合があるので、型をオーブンのなかに入れる際には置く場所をずらしたり、設定温度を調節してみることで改善することがあります。
また上白糖を使っている場合にグラニュー糖に比べて焼き色が濃く出るなど、砂糖の種類の違いによって焼き色に影響します。
へこんでしまった
焼きあがったばかりのスポンジケーキの生地は柔らかく崩れやすいため、そのままの状態では生地の重みで、徐々に中央部分がへこんでしまいます。
焼きあがったスポンジケーキはオーブンから出したら、すぐに作業台などの台から上に10cmくらいの位置から型ごと台に落とすように打ち付けます。
その後に型からはずして底を上にして冷ますことをすることで冷める間にスポンジケーキがへこむのを最小限に抑えることができます。
しわがよってしまった
生地が縮んでしまって、しぼんでいる状態です。
縮んでしまう原因にオーブンで加熱する際に、生地内部の水分を多く蒸発させてしまって焼き縮みを起こしていたり、
水分を残しながらもしっかりと焼き上げられるように焼成温度や時間を変えたり、混ぜる回数を増やしてみるなど、何回かつくり試してみる必要があります。
反対に水分が生地に多く残った状態では、生地が焼きあがってから冷める間にしぼみやすく、しわによってしまうことがあるため、冷まし方にも気を付ける必要があります。
食べてみると美味しくない
見た目も大事だけれど、やっぱり味が一番大事。
材料や道具を揃えて準備をして、手間と時間をかけて作ったスポンジケーキが不味いのはやはりショックです。
クリームやシロップを合わせれば何とかなるかなと思っていても、やっぱりお菓子にした際にスポンジケーキの味の重要さに改めて気づかされます。
スポンジケーキはシンプルな基本材料だからこそ、作り方一つで味が大きく変わってしまうのです。
きめが粗くぼそぼそとした食感
卵の泡立ての際に、きめの細かい気泡を十分含めなかった。
または気泡の大きさを均一にそろえることが不十分だった。
泡立てすぎて離水を起こしてしまったなどのことが考えられます。
食べると口の中でなめらかに溶けるような生地に仕上げるためには卵と砂糖を泡立てる際にきめの細かい気泡を均一にそろえることが求められます。
きめがそろっているほど、しっとりとした柔らかい食感になり食べやすい生地となるため、卵の泡立て方や見極めを重点的に見直しましょう。
生地が固い
気泡が少なかったり、生地の目が詰まっている状態だと固い食感になる原因になります。
その場合は膨らみが少なかったり、生地の中央部分にくぼみができてしまっている場合が多いです。
気泡が少ない場合には卵の泡立てが足りない。そして目の詰まっている生地は卵を泡立ててから、薄力粉やバターを加えたあとに生地を混ぜすぎてしまっている、またはバターが混ざりきらずに底で固まってしまっているなどが考えられます。
とくにバターを入れてからは泡立てた気泡が時間が経つにつれて壊れていくため、焦って混ぜすぎてしまったり、混ぜ不足のまま焼き上げてしまうことがあるため、落ち着いて混ぜ合わせましょう。
生焼け気味
中心部分まで火が通っていない状態です。
焼き時間を増やすか設定温度を上げてみましょう。
温度と時間はいろいろな要因で差が生まれるため、状況に応じて変える必要があります。
短時間で焼き色がついていて中心部分まで火が通っていない場合はオーブンの設定温度が高い場合があります。
逆に多めの時間で火が通っていない場合は設定温度が低いと考えられ、竹串を中心部にさして確認するなどしながら、上火を上げ下げして温度を調整しながら焼成します。
パサパサとした食感
卵を泡立てすぎ、または材料の分量や計量などに間違いがあるなどが考えられます。
共立て法では、砂糖を最初に卵と合わせて泡立てるため、砂糖が卵が過度に泡立つのを防いでくれますが、
別立て法では、卵白を泡立てる際に砂糖を徐々にいれていくため、砂糖が加わる前に卵白を泡立てすぎてしまいやすく、生地がパサパサしてしまう原因になってしまうため注意が必要です。
別立て法では卵白を泡立てる前に最初にすこし砂糖をいれて泡立ちを安定させることをおすすめします。
生地が粉っぽい
小麦粉がうまく混ざっていないのが原因でしょう。
生地の断面に白いかたまりが残ってしまう原因にもなります。
小麦粉を合わせる際は気泡をつぶさないようにすることに目が行ってしまい、小麦粉を混ぜ合わせることが不十分になりがちなので、混ぜ終わる際に粉が混ざっているか、よく確認することが重要です。
初歩的なミスには気をつけて
ほかにも計量ミスや材料の入れ忘れなどに気をつけなければいけません。
とくに基本材料の多い生地やクリームをつくる際は、材料を入れ忘れてしまったりしやすいため注意が必要です。
つくり慣れている人でもうっかり間違えてしまうことがあるため、つくり始める前には必要な材料や道具そろっているかを確認して、材料を加えるときにも確認することを忘れないでくださいね。