ジャンドゥイオットとはどんな意味?名前はジャンドゥーヤの歴史に関係していた

今回はジャンドゥーヤチョコレートの呼び方について書いていきます。

イタリア語のジャンドゥーヤは、ジャンドゥージャやジャンドゥジャ、ジャンドゥイアなどなど、まるで呪文のような呼び方の数々ですが、一般的にはジャンドゥーヤであり呼び方を日本語にした際の表記が様々であるためです。

しかしジャンドゥーヤとジャンドゥイオット、ジャンドゥイオッティについて、その違いがよく分からず、気になる方はいるのではないでしょうか?

ジャンドゥーヤ?ジャンドゥイオット?

ジャンドゥーヤは名前は聞いたことがあるよ、何となく知っているけれどジャンドゥイオットって何?って方にも知ってほしい。

そんなジャンドゥイオットとの違いについて、ジャンドゥーヤの名前の由来の歴史から詳しく書いていこうかと思います。

ジャンドゥーヤという名前の由来

ジャンドゥイオットの違いを説明する前に、まずはジャンドゥーヤの名前の由来から解説していきます。

ジャンドゥーヤチョコレートの名前の歴史は、16世紀イタリア北部で生まれたとされる仮面を使ったイタリアの伝統的な喜劇のあるキャラクターが関係してしています。

三角帽子と赤い上着をまとったワインと美味しい食事を愛する美食家の陽気な農民のキャラで名前はジャンドゥーヤ 。

中でも人気の高いキャラクターとして知られており、トリノ人の設定でありイタリア・ピエモンテ州にある首都トリノの象徴として住民にも愛されていました。

このジャンドゥーヤというキャラクターの名前が、このチョコレートに付けられたとされています。

ジャンドゥーヤの歴史で誕生したのは1865年ではない?

ちなみにジャンドゥーヤの公式な誕生は1865年とされているのですが、1852年ごろにカファレル氏はミケーレ・プロシェ氏と共同でヘーゼルナッツを使用したチョコレートの開発に取り掛かり、のちにジャンドゥーヤとなる新チョコレートを開発させて人気を博していたといわれています。

しかし、あくまでもカカオ不足を補うために、やむを得ず編み出された打開策だったためか、当時はまだ新しく開発したチョコレートに、正式な名前は付けられていませんでした。

その後1865年カーニバル(謝肉祭)のパレードで仮面喜劇のキャラクターであったジャンドゥーヤに仮装した人たちによって、その新しく開発したチョコレートが配られたことが由来となり、ジャンドゥーヤやジャンドゥイオットと呼ばれるようになったといわれています。

ジャンドゥーヤの形

ジャンドゥーヤチョコレートの特徴的な三角柱の形状も逸話があります。

すこし変わった見た目ですが、この三角柱の形状はキャラクターであるジャンドゥーヤが被っていた三角帽子からとされています。

そのためジャンドゥーヤやジャンドゥイオットの形はどれも同じ三角柱の形に成形されていて重要なポイントでもあり、この形に成形するのにとても高い技術力が要するとされています。

チョコレートの製法では、本来モールドと呼ばれる型にチョコレートを流し入れてから冷やし固めるのが一般的です。

ですがジャンドゥーヤを製造するカファレル社では、モールドを使用せずに職人1人1人の手作業によって当時は製造されていたそうで、これにより原材料にヘーゼルナッツを多く配合することに繋がっているようです。

高度な技術を要するため、スイスなど国外からもチョコレート業者が学びに来ていたようです。

現在では機械化が進んでいるのですが、型を使用しない伝統的な製法によるジャンドゥーヤの製造を続けるため、専用で独自に開発した特殊な機械を導入しているほどジャンドゥーヤの製造に力を入れられています。

ジャンドゥーヤのとろけるような味わいは、こだわりの原材料の配合量や独自の製造方法による製造工程、適切な品質管理などによって生まれており、こういうところの差に老舗のチョコレートブランドの技術力の高さが垣間見えます。

銀紙で包まれたチョコレートの始まり

カファレルのジャンドゥーヤには金色の包装紙によって包まれています。

現在ではよく見かけるアルミホイルで包まれたチョコレートですが、ジャンドゥーヤがきっかけでチョコレートが包まれるようになったといわれています。

ジャンドゥーヤが発売される前は、単体で小分けしたチョコレートを一つ一つをアルミホイルで包むことはなかったようで、当時は珍しく革新的なことだったようです。

その豪華な見た目や高い利便性などの面からも、今現在もチョコレートの包装紙として使用されています。

チョコレートのテンパリングについて詳しい方は分かると思いますが、ジャンドゥーヤの場合ではチョコレートにヘーゼルナッツのペーストが混ざることで、チョコレートの性質でもあるツヤが失われてしまいます。

このツヤ感を補うために金色や銀色の塗料を塗った紙で包むことで、キラキラとした光沢のあるチョコレートを表現したとも言われています。

また従来におけるチョコレートのモールド製法では、チョコレートが冷やし固まることで収縮する性質により、型から外しやすくなることを利用したもので、先ほどの型を使用しない成形や製造方法もチョコレートとは異なるジャンドゥーヤチョコレートの特性上、型から外しにくいことも関係しているようです。

ジャンドゥイオットの意味はジャンドゥージャ?

さて本題のジャンドゥイオットです。

ジャンドゥイオットとジャンドゥーヤの違い

結論から申しますと、2つの違いは指小辞によるものです。

指小辞とはイタリア語を含め言語において、名詞や形容詞、副詞などに、小さい、少ないといった意味の気持ちを表す際に用いられるもので、縮小辞とも呼ばれています。

指小辞では名詞などにそれぞれ形態を変化させる接辞が用いられています。(接辞についても下記で説明します。)

少しわかりにくいかもしれませんが、接辞には日本語でも使用されています。

一般的にジャンドゥイオットのように接辞の中でも語尾につける接尾辞が多いのですが、日本語では接尾辞ではなく、接頭辞と呼ばれる言葉の頭に接辞が用いられていることが多く、子や小のようなコに当たります。

例として、小鳥や子会社など、接尾辞だと江戸っ子などになります。

また指小辞には、小さいや少ないといった微弱なイメージや意味のほかに、愛おしいや親しみといった親密さを表す意味、または軽蔑といった侮辱的だったり、見下すような意味で表現する際に用いられます。

つまり小さいものだから可愛らしい、少ないから弱弱しいなど、表現する人や使用する状態によってそれぞれ異なり、それら複数の意味を表す場合もあるのです。

ジャンドゥイオットの場合、片手に乗るような三角柱の形の小さなチョコレートであったことから、接尾辞が使用されて小さなジャンドゥーヤとして表現がされたことから、ジャンドゥーヤからジャンドゥイオットへと呼び方が変化したのだと考えらます。

また名前の由来となった仮面喜劇のキャラクターであるジャンドゥーヤが、イタリア・トリノの街のシンボル的象徴でもあったことから、愛おしさや親近感が込められてジャンドゥイオットと呼ばれているのではないでしょうか。

ジャンドゥイオッティとは

ジャンドゥイオッティとジャンドゥイオットの違いは、イタリア語の複数形によるものです。

一個単位ではなく、複数のジャンドゥイオットをまとめて指す場合などに主に使用されており、個別ではなく箱などに複数個梱包されている場合などに、ジャンドゥイオッティとして呼び方を変えていることがあるのです。

ンドゥイオットとジャンドゥーヤの意味の違いをまとめると

基本的にジャンドゥイオットも、ジャンドゥーヤも、ジャンドゥイオッティも大きな意味では同じ。

ただしジャンドゥーヤの場合は、イタリア銘菓のジャンドゥーヤのほかに製菓材料の意味としても扱われ、現在ではナッツの品種に関係なく、ナッツ類のペーストとチョコレートを混ぜ合わせたもの全般を表す場合でもあります。

ジャンドゥイオットの場合は、イタリア・トリノを発祥として名産物のヘーゼルナッツとチョコレートを使用し、三角柱の形に成形作られたジャンドゥーヤチョコレートのことを指します。

そしてそのジャンドゥイオットが単数ではなく、複数をまとめて指す場合にジャンドゥイオッティと呼ばれることがあります。

トリノで作られるジャンドゥイオット

イタリアではトリノをはじめ各地のチョコレートショップで、さまざまなバリエーションのジャンドゥイオットが作られており、イタリアの銘菓の代表格とも呼ばれる伝統的なチョコレートです。

ジャンドゥイオットという名前でも ミルクチョコレートを使用しているものやヘーゼルナッツ以外のナッツを使用しているものだったり、原材料となるチョコレートやナッツの種類や配合量、製造方法や形状などそれぞれ異なります。

それはジャンドゥーヤ発祥の地、イタリア・トリノでも同様で、舌の肥えたイタリアの人々を満足させるため、それぞれのチョコレートブランドがこだわりのジャンドゥイオットを提供しており、ジャンドゥイオットのみの味比べをしても面白いですよ。

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