クーベルチュールチョコレートとは何か説明できる?あまり知られていない特徴を詳しく解説!

よく見かけるようになったクーベルチュールチョコレートという言葉。

よく分かっていない人や何となく高級なイメージでとらえられていることが多いのではないでしょうか?

今回はクーベルチュールチョコレートについて詳しく書いていこうと思います。

クーベルチュールとはどんな意味なのか?

クーベルチュールチョコレートと普通のチョコレートとの違いはどこにあるのか?

クーベルチュールチョコレートの美味しさの秘密とは?

クーベルチュールチョコレートの種類やバリエーションなどについても解説していきます。

クーベルチュールチョコレートとは?

クーベルチュールチョコレートとは、チョコレートを加工する際に使用される製菓用チョコレートの種類のことを指します。

商品などにクーベルチュールチョコレートと書かれている場合は、使用しているチョコレートがクーベルチュールチョコレートであることを表しているのです。

一般的に製菓用チョコレートの中でもクーベルチュールチョコレートを呼ばれるチョコレートは、高品質な製菓用チョコレートとされており、洋菓子店やチョコレート専門店などでは主にこのクーベルチュールチョコレートが使用されています。

そんなクーベルチュールチョコレートを使用することで、見た目はツヤと光沢のある美しい表面を作り出すことが可能となり、味わいはとろける様にクリーミーなくちどけとなります。

チョコレート専門店などで一粒数百円ほどで売られている宝石のようなチョコレートの見た目や美味しさには、このクーベルチュールチョコレートの存在が一役買っているのです。

クーベルチュールの意味

クーベルチュールとはフランス語で「覆う、カバー」という意味であり、チョコレートで覆ってコーティングすることに由来しているとされています。

カカオの油脂分を多く含むチョコレートであるため、温めて溶かすことによってサラサラとした流動性のよい状態のチョコレートとなります。

サラサラとした流動性の高いチョコレートは、伸びがよくチョコレートをより薄くコーティングすることが可能となるため、再度溶かして加工する際に扱いやすいことからコーティング用のチョコレートとして非常に適しています。

さらに、密度の高い状態で固められることから、見た目もツヤツヤとした綺麗なチョコレートに仕上げることができます。

 クーベルチュールの規格・定義

クーベルチュールチョコレートはクーベルチュールという国際規格を満たしたチョコレートのことを指します。

チョコレートに含まれるカカオ分の割合を厳しく規格によって定めることによって、チョコレートの品質を守ることにつながっているのです。

国際規格におけるクーベルチュールでは、これらの基準を基本的に満たしていることが必要です。

  • カカオ油脂分であるカカオバターを31%以上を含んでいること。
  • カカオ固形分を2.5%以上を含んでいること。
  • カカオの油脂分と固形分を合わせた総カカオ分が全体の35%以上を含んでいるもの。

さらにチョコレート先進国のヨーロッパなどの一部の国では、カカオの油脂分以外の代用油脂の使用することは認められておらず、添加物は乳化剤ではレシチンのみ、香料ではバニラのみの添加が認められています。

これらの基準を満たすことでクーベルチュールチョコレートとして認められます。

あくまでも国際規格?

ただし、この規格はあくまでも国際規格であり、それぞれの国によってチョコレートの規格が定められており、日本のチョコレートの規格とも異なります。

そのため日本ではクーベルチュールチョコレートと書かれていても、中にはクーベルチュールの規格の基準を満たしていないこともあるため、信頼できるメーカーから購入することをおすすめします。

クーベルチュールチョコレートの特徴を詳しく説明すると

日本では国際規格のおけるクーベルチュールチョコレートとは異なり、日本で一般的に売られている市販の板チョコレートなどの多くは、日本のチョコレートの規格によって定められた基準を用いてチョコレートが作られています。

そもそもチョコレートの規格とは?

日本のチョコレートの規格では純チョコレート、チョコレート、準チョコレートと大きく3つに分類されており、チョコレート生地の規格になります。

チョコレートを使用して加工したものは、別にチョコレート製品としての規格に分類されています。

純チョコレート

  • 総カカオ分35%以上、ココアバター18%以上、固形カカオ分17%以上を含む
  • ショ糖以外の糖類は使用不可であり、使用する量が全重量の55%以下であること
  • 代用油脂の使用不可
  • 乳化剤のレシチン(添加量は0.5%以下であること)、香料のバニラを除いた添加物は認められない

日本でのチョコレートでは最もカカオ分が高く風味もよいですが、その分規格の基準が厳しいチョコレートになります。

チョコレート

カカオ分やココアバターの規格は、上記の純チョコレート同様になります。

しかし、その他の代用油脂や乳化剤や香料などの添加に関しては規格されていません。

準チョコレート

  • 総カカオ分15%以上、ココアバター3%以上、固形カカオ分12%以上を含む
  • 代用油脂を15%以上を含む
  • 水分3%以下であるもの

準チョコレートの場合、製菓用チョコレートとは区別されて洋生チョコレートなどと呼ばれています。原材料が配合が大きく異なるため、クーベルチュールチョコレートとの比較対象としては外しています。

以上の3種類が、日本でのチョコレートの規格になります。

規格だけでは違いが少し分かりにくいですので、クーベルチュールと日本のチョコレートの違いについて、分かりやすく解説していきます。

クーベルチュールと普通のチョコレートのカカオ分には差がある

クーベルチュールの国際規格と日本のチョコレートの規格を比較していただくと、規格によって定められているカカオバターの含有量が、クーベルチュールの場合ではかなり多いことが分かるでしょう。

総カカオ分では35パーセント以上である点はクーベルチュールチョコレートと似ていますが、カカオバターの含有量の違いは歴然です。

クーベルチュールの規格ではカカオバターは31%以上ですが、基本的にクーベルチュールチョコレートには35%以上と多くの量が含まれているものがほとんどでカカオマスも多く配合されるため、総じてカカオ分は高いものとなります。

多くのカカオ分、とくにカカオバターを含んだクーベルチュールチョコレートは、さらさらとした流動性のよい状態に溶けて扱いやすくなるだけでなく、カカオの風味をより強く感じることのできるチョコレートとなります。

一言で言うと、クーベルチュールチョコレートと比較した日本のチョコレートはカカオ分が少なく、チョコレートの味わいに重要なカカオの風味が弱いのです。

もちろん日本で売られているチョコレートも美味しいのですが、あくまでも価格で比較した場合であり、原材料にコストのかかるカカオを使用する量が少なくても、美味しく食べやすいチョコレートになるように製造や配合、添加物などが工夫がされているのです。

人によってチョコレートの好みもありますが、チョコレート先進国であるクーベルチュールを基準とする国などから見ると、日本ではカカオの含有量が少ない量でもチョコレートを呼べるものを作ることが可能、ともとらえられるのです。

クーベルチュールチョコレートには植物油脂が使用されていない?

また代用油脂の使用も重要です。

代用油脂とはパーム油やヤシ油などの植物油脂をことを指し、チョコレートの中には含まれる油脂分にカカオの油脂分以外の植物油脂を一部使用しているものがあるのです。

代用油脂を使用することでコスト面や製造面、品質管理などにおいていろいろとメリットはあるのですが、チョコレートの代用油脂の使用は好まれていません。

その理由として、代用油脂を加えることでチョコレートに含まれるカカオの含有量が少なくなり、チョコレートにとって重要なカカオの風味や香りが乏しくなってしまうことにあります。

さらにチョコレート特有の口どけ感や口当たりの良さはカカオの油脂分によるものであり、性質の異なる代用油脂を加えることで、チョコレート本来の美味しさが損なわれてしまうことに繋がってしまうのです。

クーベルチュールチョコレートの味わいと甘さの関係性

カカオの油脂分の特性として温められてある温度帯に達すると素早く溶けだす特徴があり、これがチョコレート特有のくちどけ感を生み出します。

口の中に入れると体温いよって温められることで、素早く溶けだしクリーミーでなめらかなチョコレートが、口いっぱいに広がっていくのを味わえるのはチョコレートだけなのです。

カカオの油脂分を多く含むほどサラサラとした流動性の良い状態でチョコレートは溶けるため、よりなめらかでとろけるような味わいとなり、カカオ分も総じて多くカカオの風味をより感じることできます。

カカオ分が高いということは、チョコレートの全体を占めるカカオの量が多くなることを指すため、砂糖の含有量も少なくなります。

またチョコレートの苦みとなる成分はカカオの固形分に含まれているため、カカオ分の中でもカカオの油脂分を多く占める場合はそれだけ苦みが抑えられ食べやすくなります。

カカオ分の高いチョコレートは苦みが強く砂糖の含有量が少ないですが、クーベルチュールチョコレートをはじめとしたカカオの油脂分を多く配合した製菓用チョコレートの場合は、多少カカオ分が高くても苦みが抑えられていることになります。

ただしチョコレートの種類やカカオの品種、産地によっても味わいは異なりますし、カカオ分が70%以上と高めだとあまり差を感じにくいかもしれません。

クーベルチュールチョコレートの種類

クーベルチュールチョコレートでは原材料によって、クーベルチュールスイートチョコレート、クーベルチュールミルクチョコレート、クーベルチュールホワイトチョコレートの3種類に大きく分類されます。

3種類の違いはチョコレートに使用される原材料にあり、一般的にカカオマスやカカオバター、砂糖などを混合して練り上げた作られたチョコレートを、スイート(ダーク)チョコレートと呼ばれ、さらにクーベルチュールチョコレートの規格を満たしたものがクーベルチュールスイートチョコレートと呼ばれます。

スイートチョコレートをつくる際にさらにミルクを加えて練り上げられて作られたチョコレートがミルクチョコレート、

そしてスイートやミルクチョコレートとは異なり、カカオマスを使用せずにカカオバターとミルク、砂糖などを混合して練り上げて作られたチョコレートがホワイトチョコレートになります。

スイート、ミルク、ホワイトの原材料による分類は、クーベルチュールチョコレートの規格を満たしたチョコレートだけでなく、一般的なチョコレートも同様となります。

クーベルチュールホワイトチョコレートは規格から外れている?

クーベルチュールホワイトチョコレートは、カカオの油脂分であるカカオバターや乳成分、砂糖などから作られており、カカオマスを含んでいません。

チョコレートの原料であるカカオマスには、カカオ固形分とカカオ油脂分を両方の成分が含まれています。

つまり、クーベルチュールホワイトチョコレートとはカカオ固形分を含まずに作られるチョコレートであり、クーベルチュールの規格におけるカカオ固形分2.5%以上を含むことを満たしていないため、正確にはクーベルチュールチョコレートの規格とは外れてしまうのです。

しかしクーベルチュールの規格ができる前から、ホワイトチョコレートも古くからチョコレートとして扱われてきたため、慣例としてホワイトタイプのクーベルチュールチョコレートとして扱われているのです。

クーベルチュールチョコレートのカカオ分は全体的に高め?

基本的にクーベルチュールスイートチョコレートのカカオ分は40~60%が一般的で最も多く、よりビターなものになるとカカオ分70~80%以上のものもあります。

ミルクやホワイトタイプのクーベルチュールチョコレートは原材料に乳成分が含まれるため、全体量を表すカカオ分はミルクを含む分スイートタイプと比較すると低くなります。

ですがクーベルチュールチョコレートの規格で定められたカカオ分は、世界の国々のチョコレートの規格の中でも比較的高く設定されており、スイートやミルク、ホワイトタイプを含め全体的にチョコレートに占めるカカオの割合は高めのチョコレートといえます。

チョコレートに多くのカカオマスやカカオバターが含まれていることで、カカオの風味や香りをより感じることができ、なめらかでとろけるようなチョコレート本来の美味しさを引き出すことができるのです。

そのため高級なチョコレート製品の多くに、カカオの風味をより味わえるクーベルチュールチョコレートを使用されており、一流のショコラティエにも好んで使用される理由の一つに挙げられます。

クーベルチュールチョコレートのバリエーション

クーベルチュールチョコレートは本来、業務用でおもに使用される製菓用チョコレートであるため、一般の人には目にする機会は少ないかもしれません。

ですが、あまり知られてはいませんが、数多くのチョコレートメーカーから作られています。

カカオ豆からチョコレートまでを一貫して製造を行うメーカーもあれば、カカオ豆の栽培にまで関わるメーカーもあり、クーベルチュールチョコレートといっても様々なメーカーが扱っており、それぞれバリエーションのあるクーベルチュールチョコレートを揃えています。

また一言でチョコレートといっても、原料として使用するカカオ豆の品種や産地、焙煎やコンチングなどの製造工程や品質管理などによって、チョコレートの味わいに大きな違いが出るため、クーベルチュールチョコレートの中には酸味の効いたものから苦みやコクの強いもの、苦みが少なく香りが特徴的なチョコレートまでさまざま。

世界のショコラティエやパティシエに認められるためには、クーベルチュールチョコレートのカカオ分などの規格を満たしているだけではなく、カカオの風味や美味しさを引き出し、加工する扱いやすさを兼ね揃えた高品質なチョコレートを求められています。

原料の調達から製造過程にいたるまで品質にこだわり、つくるチョコレートに合わせて味や香りを調節しながら原材料の選定や配合が行われており、品質や味の面でもクーベルチュールチョコレートにはレベルの高いものが多いのです。

クーベルチュールを扱うチョコレートメーカー

クーベルチュールチョコレートが作られている有名なチョコレートメーカーでは、ヴァローナ、カカオバリー、ヴェイス、カレボー、ベルコラーデ、カルマ、大東カカオ、チョコヴィックなどが挙げられます。

ほかにも有名なメーカーは多数あり、どのメーカーもクーベルチュールチョコレートはレベルが高いのですが、一般的に製菓用チョコレートとしてが入手しやすく、お店や家庭でも使用されている有名なチョコレートメーカーとなります。

メーカーによってチョコレートの味わいや特徴があるのですが、原材料のカカオ分など配合量が少し変わることによって、作られるお菓子やチョコレート製品の状態や味わいが異なります。

使用用途に応じて製菓用チョコレートをブレンドしたり、カカオマスを加えたりとカカオ分や味を調整することもあり、クーベルチュールチョコレートの種類の豊富さは加工する際の扱いやすさにつながるため、そういったメーカーのクーベルチュールチョコレートはパティシエやショコラティエの多くに好まれて使用されています。

クーベルチュールチョコレートのカロリーは高い?

カカオの脂肪分や砂糖をおおく含んでいるため、チョコレート自体もともとカロリーは高い傾向にあります。

そのためクーベルチュールチョコレートも同様で、カカオの油脂分を多く含んでいるため少し高めです。

ただし上記でも説明したように、クーベルチュールチョコレートに含まれる砂糖の含有量はチョコレートの中でも決して多いとは言えず、カカオバターに多く含まれる主な脂肪酸はステアリン酸と呼ばれるもので、摂取しても体内に吸収されにくく、脂肪としても蓄積されにくいとされています。

健康面で不安視するのであれば、代用油脂として使用される植物油脂のトランス脂肪酸の方が問題点は多く、また砂糖の含有量が多いチョコレートよりは、カカオ分が高く高品質なクーベルチュールチョコレートをおすすめします。

クーベルチュールチョコレートはどこで売ってる?

クーベルチュールチョコレートというよりも、そもそも製菓用チョコレート自体があまり売られていないため、見たことがない人も多いのではないでしょうか?

クーベルチュールチョコレートは、一般的なスーパーなどの量販店では扱っていないことがほとんどで、扱っていても種類が少ない場合が多いです。

あっても1~2種類ぐらいと少ないです。クーベルチュールを含めた製菓用チョコレートの種類は数えきれないほど種類があるのですが。

クーベルチュールとは書かれておらず、スイートチョコレートや製菓用チョコレートと書かれているものもありますが、本来のクーベルチュールチョコレートの国際規格に当てはまらない場合も多く美味しさの面にも影響するため、取り急ぎ入手したい場合以外ではあまりお勧めできません。

やはり豊富に種類を取り揃えており、数多くのメーカーやカカオ分まで選ぶことができる製菓材料専門店やネットなどで買う方ことをおすすめします。

また製菓用チョコレートのため、クーベルチュールチョコレートは業務用サイズで売られています。

製菓材料専門などでは少量に分けて売られてもいますが、チョコレートは水分をほとんど含まないので保存性が高く、一度で使いきれなくても適切な保存をすれば長期的に複数回に分けて使用することも可能です。

業務用であれば価格もg単位では安くなるため、量よりも自分の好みの味わいのチョコレートを重視して探してみてはいかかでしょうか?

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